昨夜のNY原油は、米ガソリン在庫や米原油生産の増加や米国株下落に伴うリスクオフの流れに圧迫されて下落しました。NY原油の電子取引は、昨日243時ごろまでは52.5ドル付近で推移していましたが、今朝3時頃に50.1ドルまで下落し、現在は51ドル付近で推移しております。

 昨夜発表されたEIA週間石油在庫統計は、原油が150万バレル減予想に対して100万バレル減、ガソリンが190万バレル減予想に対して150万バレル増、ディスティレートが98万バレル減予想に対して200万バレル減となりました。製油所稼働率は、1.9%上昇の92.9%です。米原油生産は、1万7000バレル増の日量925万2000バレルです。春のドライブシーズンでガソリン在庫が減少すると予想されていたものの、予想外のガソリンン在庫の増加が原油市場を圧迫しました。また、昨年11月ごろから続く安定した米原油生産の増加傾向も圧迫要因となりました。

 昨夜のNYダウは、118ドル安の2万404ドルとなり、3月安値を割り込みました。これによりNYダウのテクニカルが悪化し、リスクオフの流れが強まりました。バンク・オブ・アメリカのストラテジストは、「米金利市場は税制改革が実現しないことを織り込んでおり、改革なしに賭ける絶好の機会が複数出てきた。」と指摘しております。昨年11月から続くトランプ・ラリーによりNYダウが3000ドル強も上昇しましたが、トランプ政権による税制改革やオバマケア代替え案など多くの政策実現が難航していることから、これまでのトランプ・ラリーで上昇を続けた銘柄への手じまい売りが加速し始めたようです。