トランプ大統領とパレスチアのアッバス議長との会談が5月3日に行われました。2月のイスラエルとの首脳会談でトランプ大統領が「イスラエルとパレスチナの2国共存にこだわらない。」と述べただけに、5月3日の会談でアッバス議長が「2国共存」の考え方をトランプ大統領に対して説得できるかが注目されておりました。しかし、会談後のトランプ大統領とアッバス議長との共同会見では、双方から目新しい内容の報告はありませんでした。それにより、アッバス議長がトランプ大統領に対して「イスラエルとパレスチナの2国共存」という考え方を説得させるに至らなかったようです。これを受けてイスラエルの米大使館のエルサレム移転の可能性が高まりました。
イスラエルの米大使館のエルサレム移転計画は、21年前の米議会で決定したことです。しかし、それを実施すると中東情勢が緊迫することから、オバマ大統領までの米大統領が3代にわたって半年ごとに「イスラエルの米大使館のエルサレム移転計画に対する半年間の凍結という大統領令への署名」を行ってきました。しかし、オバマ大統領が最後に行った「イスラエルの米大使館のエルサレム移転計画に対する半年間の凍結という大統領令への署名」の効力が今月下旬で終了します。そして、今月下旬にはOPEC総会も控えております。今月下旬に向けての「イスラエルの米大使館のエルサレム移転計画に対する中東の地政学的リスクの上昇」や、「OPECによる協調減産の6カ月以上の延長合意観測」などを受けてNY原油が大きく上昇する可能性も出てきました。NY原油が先月中旬の高値から10ドルほど下落したことにより、ここは、原油市場の買い場探しとなる可能性もあります。