6月22日

天然ゴム市場

 昨夜の原油市場が大きく下落したものの、それに反して中国の資源銘柄が全面高となり、ロンドンLMEの非鉄金属銘柄も全面高となりました。

 昨日の夜間取引では、上海ゴム2%高、上海亜鉛3.1%高、上海銅1.5%高、上海鉄筋1.5%高、上海鉛1.2%高、上海熱延鋼板1.9%高、大連鉄鉱石2.6%高、大連コークス3%高、大連粘結炭3.8%高となり、大幅高となる銘柄が目立ちました。

 昨日の夜間取引で上海ゴムが上昇したこと受けて、本日の東京ゴムも5円高付近まで上昇しております。上海ゴムと大連鉄鉱石は、6月1日から15営業日連続で「年初来安値付近での小動き」を続けております。一方、石炭関連銘柄や上海鉄筋は、6月6日頃から上昇基調を続けております。中国の資源銘柄全体が上昇基調に転じ始めたことを受けて、年初来安値付近で小動きを続けている上海ゴムや大連鉄鉱石などが出遅れ物色される可能性も出てきました。


6月22日

天然ゴム市場パート2

 東京ゴムにおける投資家の買い越し枚数は、20日に981枚減少し、21日に241枚減少しました。昨日までの2日間で投資家の買い越し枚数が1222枚(約15.5%)も大幅に減少し、玉整理が大きく進んだようです。

東京ゴムにおけるファンドなど外国商品先物取引業者経由の売り越し枚数は、昨日までの2日間で1313枚(約19.5%)も減少し、利食いの買いの買戻しが進んだようです。

相場格言では、「投げたらしまい」や「踏んだらしまい」という相場格言もあります。踏み(売り方による損切りの買い戻し)や投げ(買い方の損切りの手じまい売り)が一通り出ると、それまでの急騰や急落の流れが止まる傾向もあるようです。東京ゴム市場では、20日と21日に買い方の大量の「手仕舞い売り」が出たことにより、相場格言でいうところの「投げたらしまい」となったのかもしれません。

投資家ポジション


6月22日

天然ゴム市場パート3

国際天然ゴム協議会(ITRC)加盟3ヵ国のタイとインドネシア、マレーシアが4月21日に生産国会合を開催し、天然ゴムの輸出制限の検討に入ったことを発表し、7月の次回会合で輸出削減策実施の是非を問うことを表明しました。その時のタイ・ハジャイのRSS3号現物価格は、キロ当たり72.22バーツでした。

6月17~18日にタイとインドネシア、マレーシアによる緊急会合を開催することが決定し、緊急会合に向けて東京ゴムの上げ足が速まりました。しかし、6月17~18日の緊急会合は「非公式会合」となり、結果公表は行われませんでした。それにより、輸出削減策実施を期待していた買い方の失望売りが広がり、東京ゴムが週明けから大きく下落しました。それにより、タイ・ハジャイのRSS3号現物価格が今週20日時点で53.45バーツにまで下落しました。

4月の生産国会合では、「輸出制限の検討に入った」や「、7月の次回会合で輸出削減策実施の是非を問う」などが公表され、その時のタイ・ハジャイのRSS3号現物価格が72.22バーツでしたが、今週20日時点で53.45バーツまで下落しているのですから、「7月7~10日の次回会合で、輸出削減策実施が合意される可能性はかなり高まった」と考えるべきかもしれません。

タイの現物価格