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原油市場の総括

 NY原油は、5月25日のOPEC総会に向けて、3週間で9ドル幅ほど上昇しました。そして、大方の予想通りにOPEC総会で協調減産の9カ月延長が決定しましたが、サプライズがなかったことを受けて、短期筋の売り攻勢にNY原油が下落に転じました。その後、OPEC加盟国による協調減産から除外されたリビアとナイジェリアの増産圧力を受けてNY原油の下げ足が速まりました。また、米国の原油在庫やガソリン在庫が予想外に増加したことを受けて、NY原油が更に下落しました。それにより6月21日のNY原油が一時42.05ドルまで下落し、昨年11月の安値(42.20ドル)付近まで下落しました。テクニカル的には、昨年11月14日の安値(42.20ドル)と6月21日の安値(42.05ドル)でダブルボトムを形成する可能性もあります。

 米原油生産は、2016年1月から6月にかけて減少傾向を強めました。しかし、2016年11月のOPEC総会で協調減産が合意されると、原油価格の先高観が強まり、米シェールオイル開発業者の多くが増産に転じました。それにより、米原油生産がハイペースで増加を続けることになりましたが、今年の4月頃からNY原油が50ドル台を割り込み始めると、米原油生産の増産ペースが大きく鈍りました。NY原油の50ドル割れがこれ以上続くようでは、米原油生産が昨年前半のように減産傾向に転じる可能性もあります。こうした米原油生産の増産ペースの鈍化傾向により、NY原油が下値の限界に迫ってきたようにも感じられます。

 米原油在庫は、4月頃から安定した大幅減少傾向を続けてきましたが、先々週のEIA発表値で大幅増加となり、先週のEIA発表値で小幅減少に留まりました。それにより、NY原油の買い方投資家に動揺が広がり、NY原油の下げ足が速まりました。しかし、今週のEIA発表値で前週比250万バレル減となり、再び減少傾向を強め始めております。5~6月の米製油所稼働率が昨年のエネルギー需要のピーク時を上回っており、この時期としてはかなり異例ともいえる高さを示しております。米製油所稼働率は、エネルギー需要のピークとなる8月頃に向けて上昇を続ける傾向もあることから、8月頃に向けて米原油在庫が減少傾向を強めることは十分考えられます。

 6月21日のNY原油が一時42.05ドルまで下落し、昨年11月の安値(42.20ドル)とダブルボトムを形成する可能性が高まってきたことを受けて、ここは東京原油に対して値ごろ買いも一考ではないでしょうか。そして、昨年11月から続く米国のハイペースな増産基調が、5月頃からかなり大きく鈍化しており、米原油生産が減産に転じる可能性も出てきた。そして、ロイターが先月発表したアナリスト34人を対象とした調査結果による今年のWTI原油平均価格見通しが53.52ドルであり、6月21日のNY原油の引け値が42.53ドルですから、「NY原油の上げ余地は大きい」と考えるべきかもしれません。

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