これまでの東京ゴムは、上海ゴムの現取引中心限月である9月限の値動きに左右される展開を続けてきました。しかし、上海ゴムは、4カ月ぶりに取引中心限月が移動します。昨日の夜間取引の引け値は、現取引中心限月の9月限が1万3750元、次期取引中心限月の1月限が1万6170元であり、その差は2420元ですから、キロ当たりの円換算にすると40円ほどの差が生じている計算です。なぜここまで価格差が拡大したかを考える必要もあります。

 中国の資源銘柄の多くが6月下旬から上昇基調を続けております。そして、上海ゴムの現取引中心限月の9月限の建玉規制が8月から強化されることを受けて、今月末までに9月限の建玉のほとんどが決済されることになります。そうした理由により、上海ゴムを強気する投資家の多くは、今月になって1月限を買う動きを活発化させました。昨日の夜間取引での上げ幅を見ても、1月限の上げ幅が9月限の上げ幅の2倍ほどとなっております。そうしたことにより9月限と1月限の価格差が拡大したようです。しかし、東京ゴムは、これまで上海ゴムの9月限の値動きに左右される展開を続けてきました。今週中に上海ゴムの取引中心限月が9月限から1月限に移動することになります。そうなると東京ゴムは、新取引中心限月となる上海ゴム1月限の価格水準と比べられることになり、「東京ゴム買い上海ゴム売り」の裁定取引が活発化することも考えられます。