7月28日

天然ゴム市場パート4

来週前半の天然ゴム市場の焦点は、「7月の中国製造業PMI」のとなりそうです。7月31日の日本時間10時に中国国家統計局から「7月の中国製造業PMI」が発表されます。市場予想平均は、3か月ぶりの高水準となった前月から0.1ポイント低下の51.6ポイントとなっております。翌8月1日には、財新&マークイットから「7月の中国製造業PMI」が発表されます。市場予想平均は、景気分岐点とされる水準を上回った前月と同じ50.4ポイントとなっております。

来週発表される「7月の中国製造業PMI」が、市場予想を大きく上回った前月発表値付近をキープすることになれば、中国経済成長の力強さが再確認されることになり、中国の資源銘柄が上げ足を強める可能性もあります。

国際通貨基金(IMF)は7月24日、2017年と2018年の世界の経済成長見通しを据え置きましたが、中国と欧州の2017年と2018年の経済成長見通しを引き上げました。そして、中国財政省が7月26日に発表した1~6月の中国国営企業利益が前年同期比24.3%増となり、先月末の発表値と同様に大幅な伸びを記録しました。今週発表された複数の中国経済指標が良好な内容となっただけに、来週発表される「7月の中国製造業PMI」も良好な内容となって資源銘柄全体の上げ足が強まる可能性もあります。そうしたことを考量して本日の東京ゴムに対して「押し目買い」も一考ではないでしょうか。


7月28日

天然ゴム市場パート5

 上海ゴム9月限は、14時半ごろに7%安まで下落し、その後は6.6%安付近で小動きを続けましたが、7%安(ストップ安)の1万2500元で取引を終えました。上海ゴム1月限は、14時半ごろに一時6.5%安まで下落し、その後は5.7%安付近で小動きを続け、5.7%安の1万5090元で取引を終えました。本日は、新取引中心限月となった1月限だけで約92万枚の大商いを記録し、9月限も約68万枚の大商いを記録しました。そして注目は、取組高が約25万枚の1月限の本日の売買高が92万枚となったことでしょう。取組高の3.7倍ほどの売買高を記録したということは、かなり異常な売買高にまで膨れ上がったということです。それにより本日の安値が買い場となる可能性もあります。

本日の上海ゴムの下げ幅は、5月下旬以来の大きさとなりました。上海ゴムの年初からの1日当たりの売買高は40~100万枚程度ですが、本日の売買高が約160万枚となり、今年最大の大商いとなりました。大きく下落して大商いを記録したことは注目でしょう。

 中国の資源銘柄は、上海アルミ0.6%安、上海亜鉛0.9%安、上海銅0.4%安、上海鉄筋0.2%高、上海鉛0.2%安、上海熱延鋼板0.8%高、大連鉄鉱石1.5%高、大連コークス0.9%高で取引を終え、非鉄金属銘柄が小幅安となり、鉄鋼関連銘柄と石炭関連銘柄が小幅高となりました。上海総合株価指数は、午後からプラス転換となり、0.1%高で取引を終えました。

 本日の中国の資源銘柄は、全体的に小動きとなりましたが、上海ゴムだけが大幅下落となりました。上海ゴムは、4カ月ぶりの取引中心限月の乗り換えで売買高が増えやすい神経質なタイミングで大幅下落となったことで、異常なほど売買高が膨れ上がったようです。本日の上海ゴムは、新たな弱材料が出現した訳でもなく、行き過ぎた値動きとなったようです。9月限と1月限の価格差が2500元近くにまで広がっていたことが影響したのかもしれません。