昨夜のNY白金は、南ア情勢に圧迫されたものの、ロンミン社の発表が好感されて上昇しました。

 南アのムベテ議長は7日、ズマ大統領の不信任動議に関して非公開投票を実施することを発表しました。非公開投票となった事で与党議員からの不信任票が増加して同大統領罷免の可能性が高まると見られております。ズマ大統領は2009年に大統領に就任しました。世界各国が2008年のリーマンショック後に長期経済成長を遂げたものの、それに反して南アが景気後退を続けたことでズマ大統領への不信任感が高まりました。また、ズマ大統領は副大統領の時に汚職疑惑で罷免されたこともあり、ズマ大統領が自宅に巨額な資金を投じて円形劇場やプライベート医療施設を建設するなどの浪費も非難されておりました。ムベテ議長の非公開投票実施の発言を受けて南アランドが大きく買われていることからも、非公開投票を実施してズマ大統領罷免の可能性が高まることは、南アの経済改革が進むと受け止められたようです。これまでの南アの政情不安が白金市場のプラス要因の1つでもあったことから、ムベテ議長発言は白金市場にとって下落要因となります。

 南ア白金鉱山大手のロンミン社は7日、年間50万オンスの白金生産能力の削減を発表しました。それにより5億ランド(約42億円)の年間経費を削減する予定です。7~9月期の生産コストが6.4%上昇したことにより、いくつかの資産を売却することにより年間50万オンスの生産能力が削減されるようです。これに昨夜のNY白金が反応して上昇しました。ここまでロンミン社の財政が追い込まれているということは、白金価格のこれ以上の下落はあまり望めないと考えるべきかもしれません。