9月6日

ハリケーン情報

 北上を続けているハリケーン「イルマ」は、最上位となるカテゴリー5にまで勢力を強め、最大風速が秒速82.7m(時速298km)まで速まり、中心気圧が916ヘクトパスカルまで低下しました。ハリケーン「イルマ」が現在の中心気圧を保って米国に上陸すれば、米国に上陸した大西洋ハリケーンの中でも歴代第3位の勢力となります。しかも、ハリケーン「イルマ」は、今後24時間で更に勢力を強めると見られております。ちなみに観測史上最悪の被害をもたらしたとされるハリケーン「カトリーナ」の上陸時の中心気圧は920ヘクトパスカルでした。ハリケーン「イルマ」は、10日(日曜)にフロリダ半島南岸沖を通過してメキシコ湾東部に侵入し、アラバマ州~フロリダ州付近に上陸する見通しです。

 メキシコ湾内のメキシコ東岸にあった熱帯低気圧「サーティーン」が成長を始めているのも気になります。ハリケーン「ハービー」が熱帯低気圧からハリケーンに成長した海域で熱帯低気圧「サーティーン」が成長を始めており、しばらく同じ場所に留まり、9日(土曜)にメキシコに上陸する予定です。熱帯低気圧「サーティーン」が勢力を強めて、メキシコ湾内の米石油施設に被害をもたらす可能性もあります。

そして、北上を続けるハリケーン「イルマ」の後方で熱帯低気圧「ホセ」がトロピカル・ストーム(最大風速34~63ノットの熱帯低気圧)に成長して北上を始めたことも気になります。現在の進路予想では、フロリダ半島の東沖を通過し、米国への上陸の可能性は低そうです。

 ゴールドマン・サックスの9月5日付けのレポートでは、ハリケーン「ハービー」の被害に対して、「国内のオンショア生産がある程度抑制される恐れがあるほか、復興作業に伴う原油需要回復が見込まれていることから、数カ月後には需給に若干ポジティブな影響が見られると示唆される。そのような結果になれば、最終的には米国の原油需要にとって支援材料となる。」と指摘しております。

 ハリケーン「イルマ」の最大風速が秒速82.7m(時速298km)まで速まっておりますが、「時速298kmの風」といっても、なかなか想像出来ません。そして、ハリケーン「イルマ」の中心気圧がハリケーン「カトリーナ」の米国上陸時を下回ったのですから驚かされます。ハリケーン「イルマ」の北上により、NY原油やシカゴ穀物価格の上昇も予想されます。そして、ハリケーン「イルマ」が米国に上陸することも予想されているだけに、ハリケーン「ハービー」とハリケーン「イルマ」による災害復興銘柄として、インフラや建物の建材料となる鉄鋼や非鉄金属、木材、天然ゴムなどの資源財価格の上昇も予想されます。