9月11日

天然ゴム市場パート3

この1年間での上げ幅は、ロンドン銅3か月物で約50%、ロンドン亜鉛3か月物で約46%、ロンドンアルミ3か月物で約38%です。そして、上海鉄筋で約82%です。鉄鋼関連銘柄や非鉄関連銘柄の多くは、トランプ大統領が掲げた1兆ドル規模のインフラ投資計画を受けて昨年10月~11月に大きく上昇しました。その後は小動きを続けておりましたが、中国経済成長の好調さが好感されて6月頃から再び大きく上昇しました。それによりロンドン銅3か月物が3年ぶりの高値水準まで上昇し、上海鉄筋が3年7カ月ぶりの高値まで上昇しました。

しかし、先週末に発表された中国の貿易収支では、輸入額の伸び率の大幅鈍化が2カ月連続で示されることになり、それまで上昇を続けてきた鉄鋼関連銘柄や非鉄金属銘柄が全面安となりました。中国のドルベースでの輸出額は、6月の前年同月比11.3%増に対して、7月が7.2%増、8月が5.5%増となり、4カ月前から続く強烈な元高基調に中国の輸出企業が苦戦していることが示されました。この元高基調が止まらなければ、中国の輸出額の伸び率の鈍化が更に悪化することになります。中国は、「世界の工場」とも呼ばれており、鉄鋼や非鉄金属の世界消費の3割強を占めます。中国の輸出企業が苦戦している環境では、中国の資源価格の下落基調は続きそうです。

元高基調は本日も続いており、対ドルで2年ぶりの高値水準にあります。ここで中国当局が為替介入を行えば、トランプ政権に為替操作の疑いを掛けられる恐れもあるだけに、中国当局も動きにくいようです。しかし、元高を放置すれば、中国経済成長が失速します。そして、中国の秋の党大会も迫っているだけに、中国当局にとって頭の痛い元高基調のようです。現在の元高基調の打開策が中国当局から示されるまでは、中国の資源銘柄全体に対して弱気な見方の継続も一考ではないでしょうか。


ロンドン銅3か月物の月足
ロンドン銅3か月物の週足

ロンドン亜鉛3か月物の月足
ロンドン亜鉛3か月物の週足

 

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