9月12日

天然ゴム市場

 中国の資源銘柄の多くは、先週6日から4営業日連続で大きく下落しました。しかし、昨日の昼頃から下げ幅を縮小させ、突っ込み警戒も高まりました。そして、昨日の夜間取引では、資源銘柄が全体的に小幅高となりました。本日は、資源銘柄が全体的に小幅高で寄り付きました。

 先週末発表された中国の貿易収支では、中国の輸出額の伸び率が2カ月連続で大きく低下したことが示されました。「世界の工場」と称される中国経済にとって輸出額の伸び率の大幅鈍化は、経済成長の致命傷ともなりかねません。それも、2カ月連続で輸出額の伸び率が大幅鈍化したとなると、大きな問題です。しかも、鉄鋼関連銘柄や非鉄金属銘柄の多くが先月頃から年初来高値を更新しているのですから、元高の流れが反転しなければ、中国の資源銘柄全体が大きく下落する可能性が高まります。

昨日午後から少し元安の流れとなった事を好感し、資源銘柄全体が強含みに変化したようですが、元安の流れも昨日18時ごろから止まっております。

 本日からタイとインドネシアとマレーシアによる生産国会合が開催されます。そして、生産国会合の最終日となる15日の声明に注目が集まりそうです。7月の生産国会合では、天然ゴムの輸出削減策を年内実施することで合意されました。今回の会合では、輸出削減策の規模や開始時期について話し合われるようです。

 生産国会合で輸出削減策の開始時期や規模が発表されれば、天然ゴム市場ととって強材料となります。しかし、「木を見て、森を見ず」ということわざもあるように、ここでは、天然ゴムの個別材料にこだわるよりも、資源銘柄全体の「大局」を見定めることに集中するべきではないでしょうか。