9月19日

天然ゴム市場パート7

今回の上海ゴムの大幅下落を振り返ると、まず最初に9月8日に発表された中国の貿易収支で、輸出額の伸び率が2カ月連続で大幅鈍化したことが示され、それと同時に上海ゴムが大きく下落しました。そして、9月14日に中国国家統計局から発表された鉱工業生産(8月)で、伸び率が2カ月連続で鈍化したことが示され、上海ゴムが再び大きく下落しました。その後、天然ゴムの生産者会合の結果を受けて失望感が広がり、9月15日の夜間取引で上海ゴムが大幅下落となりました。

対ドルでの中国元は、6月頃から元高基調が続き、8月頃から元高基調が加速しました。それを受けて中国の輸出額や鉱工業生産の伸び率が2カ月連続で鈍化しました。しかし、9月11日から元安基調が続いております。中国人民銀行は、大型連休前の流動性確保のために、大規模な資金供給オペを行っております。それにより、大型連休に向けて元安が更に進む可能性もあります。元安が進めば、元建て銘柄となる中国の資源銘柄が強含みとなりそうです。

中国では、10月1日から国慶節と中秋節による8連休を迎え、中国の小売り消費が最も活発化するシーズンを迎えます。それにより、これから中国の宅急便サービスや小売業への投資が注目されるシーズンを迎えます。本日の中国市場でも、宅急便大手のYTOエクスプレスが値幅制限いっぱいとなる10%高となり、時価総額で中国最大のSFホールディングが7%高となるなど、大型連休が迫ってきたことを実感させるような値動きも目立ってきました。大型連休に向けて中国の小売り消費が活発化すれば、中国市場全体も活発化する可能性があります。そして、昨日より元安基調が強まってきたことも注目でしょう。今回のFOMCを終えてドル高基調が強まれば、元安基調が更に強まることになります。ここにきて中国市場や人民元市場の流れが変化してきたように感じられます。ここからは、東京ゴムの強気な見方に注目かもしれません。