9月27日

天然ゴム市場パート4

中国河北省の鉄鋼生産の中心都市である邯鄲(邯鄲)では、鉄工所に対して予定より1カ月早い生産縮小が決定しました。そして、中国の環境保護省は先月、28都市を拠点とする数万の企業に対し、大気汚染が悪化する冬季期間中(11~3月)のディーゼルトラック利用について、11月1日までに半減させるよう命じました。鉄鋼から化学製品などさまざまな中小工場が、鉄道輸送へのアクセスを確保するための争奪戦が行われているようです。河北省と河南省中部では、一部の鉄鋼会社は、最大9割の製品を鉄道輸送しなくてはならないことも決定しました。

中国当局が昨年の春先に鉄鋼や石炭の生産能力削減を指示したことを受けて、鉄鋼関連銘柄や石炭関連銘柄を中心として中国の資源銘柄全体が上昇基調を続けたという経緯もあります。しかし、今年は、昨年と比べられないほど厳しい鉄鋼や石炭の生産削減が実施されます。昨年のように「生産能力の削減」ではなく、今年は生産量の削減が強制されるようです。そして、中国当局は、鉄鋼から化学製品などの運搬をこれまでのディーゼルトラック中心の輸送形態から鉄道中心の輸送形態へと強制的に切り替えることも決定しました。

 昨年のような「鉄鋼や石炭の生産能力の削減」であれば、資源銘柄全体の上昇基調に繋がります。しかし、今年の11月から来年の3月までは、原材料が十分に届かず、製品輸送が困難となる企業が続出することも予想され、製造業の多くが減産を強いられることになりそうです。そうしたことが中国経済成長を圧迫し、中国の資源銘柄全体が下落基調を強めることも予想されます。しかし、中国当局が「冬季のスモッグによる大気汚染」に対してこれまでと比べられないほど真剣な対応を始めたことは、喜ばしいことでしょう。