10月18日

金市場パート2

イスラム国(IS)掃討作戦開始から3年が経過しましたが、ISの拠点とされるイラクのモスルが7月に制圧され、シリアのラッカが昨日制圧されました。IS最後の拠点であったラッカ制圧により、中東の地政学的リスクが沈静化に向かい始めたようです。イラク中央政府とクルド自治政府によるキルクーク油田を巡る緊張も昨日より沈静化に向かい始めたようです。そして、サリバン米国務副長官が昨日「米政府は最終的に北朝鮮との直接対話する可能性を排除していない。」と述べたことや、中国の党大会前に北朝鮮がミサイル発射実験を行わなかったことにより、北朝鮮リスクも沈静化に向かい始めたように感じられます。更に、米国の好調な7~9月期米国企業決算発表を背景にNYダウが初めて2万3000ドル台に乗せたことにより、12月のFOMCでFRBが利上げを実施する可能性も高まってきました。こうなると、リスクヘッジの金相場は、これまで以上に圧迫される可能性が高まってきました。金相場に対しては、12月のFOMCに向けての弱気な見方も一考かもしれません。

NY金におけるファンドの買い越し枚数は、9月12日時点で25万4760枚まで膨らんで今年最大の買い越し枚数を記録しました。しかし、その後は4週連続で買い越し枚数が減少し、10月10日時点で20万112枚となりました。まだ買い越し枚数が高水準であることや、買い方ファンドの手仕舞い売りが4週連続で安定して続いていることから、買い越し枚数が10万枚付近まで減少するまでは、NY金に対する弱気な見方を続けるべきかもしれません。
NY金におけるファンドポジション