10月24日

トウモロコシ市場

米農務省が昨夜発表しましたクロップ・プログレスでは、22日時点での米国産トウモロコシの収穫率が前週比10%上昇の38%となり、市場予想(44%)や前年(59%)、過去5年平均(59%)をいずれも下回りました。成熟率は6%上昇の96%となり、昨年(99%)や過去5年平均(97%)を少し下回りました。優と良の占める割合は、1%上昇の66%となり、市場予想平均を1%上回ったものの、昨年(74%)を大きく下回っております。一方、米国産大豆の収穫率は前週比21%上昇の70%となり、過去5年平均(73%)を少し下回っております。

米農務省からの昨夜の発表では、米国産トウモロコシの作柄が少し改善しましたが、それに反してシカゴコーンが大きく上昇したことに注目でしょう。米環境保護局(EPA)がバイオエタノールの使用義務量の引き下げを検討していることを9月下旬に発表し、それと同時にシカゴコーンがじり安基調に転じました。しかし、先週末にEPAとトランプ大統領が共に現行のバイオエタノールの使用義務量を支持することを表明すると、週明けのシカゴコーンが即座に反応したようです。米国産トウモロコシの4割近くがバイオエタノールに加工されるだけに、「バイオエタノールの使用義務量の変更」は、シカゴコーンにとって大きな問題です。しかし、ここにきてバイオエタノールの使用義務量の引き下げ懸念が無くなったことにより、再び強気投資家の攻勢が強まることが考えられます。しかも、現在のシカゴコーンが生産コストを1ブッシェルあたり50セントほど下回っているだけに、「上げ余地は大きい」と考えるべきかもしれません。