10月27日

天然ゴム市場パート2

 タイ・ハジャイのRSS3号現物価格は、10月12日にキロあたり49.2バーツまで下落し、昨年2月以来の安値となりました。その後は上昇に転じ、本日時点で55.98バーツまで上昇しております。本日値段を円換算すると、55.98バーツ×3.43バーツ=約192円となります。これにキロ当たりの輸入諸経費を8円で計算すると、輸入採算価格は約200円となります。それに対して東京ゴム当限が5円ほど下回っております。東京ゴムの期近限月が輸入採算価格を割り込んでいることから、「東京ゴムの下値は限定的」と考えるべきかもしれません。

 上海ゴムは、0.9%安の1万3400元で前場を終えました。これから高率関税を差し引いてキロ当たりの円換算にすると、(1万3400元-900元)÷1000kg×17.16円=約214.5円となります。それに対して東京ゴム1月限が16円ほど下回っております。一時は両市場間のキロ当たりの価格差が22円まで拡大しましたが、現時点で16円にまで縮小しておりますが、それでもまだ上海ゴムに対して東京ゴムが大幅割安換算です。

 東京ゴムにおける商社など当業者の売り越し枚数は、この1か月半で6割近く減少しました。その反面、ファンドなど海外商品先物取引業者経由のポジションは、東京ゴムが210円付近まで下落した9月21日から売り越しに転じ、昨日時点で6147枚の売り越しとなりました。ファンドがここまで売り越し枚数を増やしたのは、東京ゴムが185円まで下落した6月19日以来であり、その後の東京ゴムは、3カ月間で40円ほど上昇しました。さすがにファンドの売り越し枚数が6千枚を超えれば、突っ込み警戒を高める必要があります。そして今回のファンドは、東京ゴムが210円付近まで下落した9月21日から売り越しに転じたのですから、東京ゴムがあと8円ほど上昇すれば、9月21日以降に構築されたファンドの売りがすべて値洗いマイナスとなる計算です。
タイの現物価格
東京ゴムのファンドポジション