11月8日

原油市場

 昨夜のNY原油は、高値警戒感により4営業日ぶりに下落に転じました。OPECのバルキンド事務局長は7日、減産延長に反対している国はないとした上で、今月30日のOPEC総会前に延長期間についての合意を目指していることを明らかとしました。

一方、ブラジルエネルギー省のフェリックス氏は7日、サウジアラビアから協調減産に参加するように非公式な打診を断ったことを明らかとしました。フェリックス氏は、「サウジアラビアはブラジルの生産量が伸びていることを懸念している。」と述べており、ブラジルが自国の法律で生産量を調整することが出来ないことをサウジアラビアに伝えたそうです。現在のブラジルの産油量は日量265万バレル程度であり、自国目標は、「2027年までに日量500万バレル以上に引き上げる」となっているそうです。

週間石油在庫統計に対する市場予想は、原油290万バレル減、ガソリン190万バレル減、ディスティレート140万バレル減となり、製油所稼働率は0.2%上昇の88.3%です。明日のEIAからの発表では、米原油輸出や米原油生産も注目でしょう。

11月8日

原油市場パート2

今朝発表されたAPI週間石油在庫統計では、原油が290万バレル減予想に対して156万バレル減、ガソリンが190万バレル減予想に対して52万バレル増、ディスティレートが140万バレル減予想に対して313万バレル減となり、クッシング原油が81万バレル増となりました。

 米エネルギー情報局(EIA)は7日、短期エネルギー見通しを発表しました。それによると、2018年の原油生産見通しを前年比72万バレル増の日量995万バレルとし、前月発表した原油生産見通しから日量3万バレルの上方修正を行いました。ちなみに現在の米原油生産は、10月27日時点で日量955.3万バレルです。

 OPECのバルキンド事務局長は7日、減産延長に反対している国はないとした上で、11月30日のOPEC総会前に延長期間についての合意を目指していることを明らかとしました。今回のOPEC総会では、協調減産の延長が高確率で合意されるとの見通しから、OPEC総会に向けて強気している投資家も多いようです。しかし、ここにきてOPEC総会前に延長合意が発表される可能性も高まってきたことで、強気投資家の動揺を誘いそうです。「噂で買って、事実で売れ」という相場格言もあるように、協調減産の延長合意が発表されると、原油が下落基調に転じる可能性もあります。

 ちなみに今年5月に開催されたOPEC総会では、協調減産の延長が合意されました。しかし、その発表後からNY原油が下落に転じ、1か月間で10ドルほど急落した経緯もあります。それにより、今回も延長合意の発表と共に原油価格が急落する可能性もあります。