11月20日

トルコリラ

 トルコのエルドアン大統領は17日、「中央銀行の政策決定に政府が介入しないことがインフレを招き、投資を阻害しかねない状態を生み出している。このような高い金利で融資しようとすれば、当然ながら投資は阻害されストップする。我々は利下げしてインフレ率を一桁引き下げた。」と述べました。この発言を受けてトルコリラ売りが加速しました。

 一方、トルコ中銀が2017年末までに過去最大規模となる30億ドルの外貨売却入札を決定したことも伝わっております。トルコ中銀が30億ドルの外貨売却で自国通貨を買い戻す「自国通貨防衛」に動くようですが、それに対してトルコリラはほとんど反応しておりません。

 トルコ中銀は、2013年7月8日に当時の過去最高となる22億5000ドルの外貨売却入札を実施したことがあります。その時は、外貨売却入札後2カ月間でトルコリラ円が52円付近から42円付近まで大幅下落しました。当時のトルコ中銀は、「今日から強力な追加的金融引き締めが始まる。」との声明を発表しましたが、それに反してトルコリラが大幅下落となりました。2013年7月には、「22億5000ドルの外貨売却入札」をたった1日で実施しましたが、今回は、「30億ドルの外貨売却入札」を「年末までに実施する」ということですから、これでは即効性は望めそうもありません。

先週17日のエルドアン大統領発言を考えれば、「これでトルコ中銀の利上げの可能性はなくなった」と考えるべきかもしれません。トルコリラに対しては、しばらく弱気な見方を継続することも一考ではないでしょうか。