12月14日

天然ゴム市場パート4

 タイのクリサダ農業・共同組合相は、低迷する天然ゴム価格を下支えするために、タイ・ゴム公社を通じて全国のゴム取引市場に120億バーツ(約415億円)を投じ、20万トンを買い付ける方針を明らかとしました。具体的な買い付け方法などの詳細は、19日の閣議に提案するそうです。更に、年間20万ライ(1ライ=1600平方メートル)のゴム栽培地を休耕地にすることや、天然ゴム農家1軒あたり10ライの農地につき最大4000バーツの転作奨励金を交付すること、2018年9月まで政府保有の内からの天然ゴム生産量を3カ月間で6000トン減産することも明らかとしました。

 20万トンの買い支え案が19日の閣議に提案されることになりましたが、プラユット首相自身がタイ天然ゴム政策委員会の委員長を務めているので、プラユット首相の推薦で20万トンの買い支え案が閣議決定される可能性は高そうです。また、タイ南部の大規模洪水を受けて一時133万人が被災し、その時にプラユット首相が被災地視察を行っているので、大規模洪水で苦しむタイ南部の天然ゴム生産者への支援策として、20万トンの買い支え案をプラユット首相が合意に導く可能性も高そうです。

 昨日開催された3カ国会合の結果が伝わっておりません。それに加えて、クリサダ農業・共同組合相が天然ゴム20万トンの買い支え案を閣議に提出することを公表したことを考えると、今回の3カ国会合で輸出削減策が物別れに終わった可能性もあります。それを受けてクリサダ農業・共同組合相が急遽20万トンの買い支え策を打ち出したと考える方が自然かもしれません。来週19日の閣議決定に向けて東京ゴムに対して強気な見方も一考ではないでしょうか。