12月29日

天然ゴム市場

 本日の東京ゴムは、昨夜の上海ゴムの小幅高に反して大きく下落して寄り付きました。そうしたところにも東京ゴムの地合いの悪さが伺えます。

 昨日の上海ゴムの夜間取引は、序盤で一時0.8%高まで上昇しましたが、0.3%高まで失速して取引を終えました。その反面、昨夜の上海鉄筋は、小幅安で寄り付きましたが、1.3%高まで上昇して高値引けとなりました。そうした動きからも上海ゴムの地合いの悪さが伺えます。

 東京ゴムは、9:35時点で当限(1月限)が207.5円、中限(4月限)が208.5円、先限(6月限)が207.3円となり、「ひょっとこさや」を形成しており、地合いの悪さが伺えます。中限に対して先限と当限が安いのが「ひょっとこさや」、中限に対して当限と先限が高いのが「おかめさや」と呼ばれており、「おかめさや」を形成している時は、地合いが強まっているとされております。しかし、「ひょっとこさや」は、現物の不人気から当限が安くなり、投機人気の低下から先限が安くなる「地合いの悪いさや」とされております。

 今回決定した主要3カ国による天然ゴムの輸出削減策は、昨年2月に決定した輸出削減策の規模の半分程であり、実施期間も半分です。しかも、輸出削減策の反動で4月からの産地の天然ゴム輸出は急増することが予想されます。

 昨年10月の米大統領選後からNYダウが8000ドルほど一本調子な上昇を続けました。NY原油も6月頃から18ドルほど一本調子な上昇を続けました。NYダウとNY原油があまりにも大きく上昇してきたので、税金対策で年末の利益確定を避ける動きが強まっているように感じられます。それにより年明けからNYダウやNY原油への利益確定の動きが強まれば、東京ゴムも急落に巻き込まれる可能性もあります。ここは、東京ゴムの急落に警戒するところかもしれません。