2月9日

マーケット全体の展望 「一葉落ちて天下の秋を知る」

 NYダウは、今週5日に一時1597ドル安まで下落して過去最大の下げ幅を記録し、1175ドル安の2万4345ドルで取引を終え、終値ベースでも過去最大の下げ幅を記録しました。そして、昨夜のNYダウが1032ドル安となりました。今週になってNYダウの1000ドル強の記録的な暴落が2回も発生し、投資家心理が大きく変化しました。

 今回の米国株の暴落の始まりは、先週末2日の米雇用統計後の急落でした。2日の米国市場では、米雇用統計発表が市場予想を大幅に上回る良好な内容となりましたが、その直後から米国株の急落が始まりました。そして、昨夜の米国市場では、米週間新規失業保険申請件数が45年ぶりの低水準を記録するほど良好な内容となり、その直後から米国株の下げ幅が加速しました。2日と8日の米国市場では、市場予想を大幅に上回る良好な経済指標が発表されましたが、それに反して米国株が急落したことを重要視する必要がありそうです。トランプ大統領は7日、「昔はいいニュースが出たら株は上がったが、今はいいニュースで株が下がる。これは大間違いだ。」と述べましたが、材料に反してマーケットが動く時が、「マーケットからの重要なシグナル」と受け止める必要もあります。「強材料で上がる」とか「弱材料で下がる」は、一般的なマーケットの反応ですが、「強材料に反して下がる」となれば、地合いが急速に悪化していることを示しております。「相場は相場に聞け」という相場格言は、材料に対するマーケットの反応を敏感に感じ取ることではないでしょうか。「一葉落ちて天下の秋を知る」という相場格言もあり、2日の米雇用統計発表や8日の週間新規失業保険申請件数発表後のマーケットの反応を見て、マーケットの潮目が変わったことを感じ取ることが必要だったのかもしれません。