3月7日

前場市況1

昨日の日経平均株価が375円高となり、その後の日経225先物も670円高まで上昇したことでリスクオンの流れが強まりました。その後、昨夜のNYダウが9ドル高で取引を終え、今朝からのNYダウの電子取引が350ドル安付近まで急落しております。トランプ大統領の鉄鋼やアルミに対して高率関税を課す方針に反対していたトランプ米大統領の経済顧問トップであるコーン米国家経済会議委員長の突然の辞任を受けて、リスクオフの流れが一気に強まりました。

トランプ大統領が1日に鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を課す方針を述べ、それに圧迫されて1日のNYダウが大きく下落しました。その後、コーン米国家経済会議委員長がそれに反対を表明したことにより、リスクオフの流れも沈静化し、3月5日のNYダウが大幅高となりました。しかし、コーン米国家経済会議委員長が突然の辞任を表明したことにより、「トランプ大統領による鉄鋼やアルミへの高率関税を課す政策は止められない」との観測も広がり、今朝からのNYダウ先物が大きく下落し、ドル円も今朝から60銭ほど円高に進みました。コーン米国家経済会議委員長は、ゴールドマン・サックスの元最高執行責任者(COO)であり、トランプ大統領が指名した金融業界出身の高官の1人です。

トランプ大統領は、ツイッターへの昨夜の書き込みで、「ホワイトハウスが大混乱しているというのがフェイクニュースの最新ネタだが、大違いだ。人の出入りはあるだろうし、私は最終決定をする前には、徹底した話し合いを望んでいる。何人か交替させたい人もいる。いつも完璧を求めているからな。それは混乱ではない。単にエネルギー全開というのさ。」とコメントしております。

コーン米国家経済会議委員長とバノン元首席戦略官とコーン氏が辞任し、今後の米国経済のかじ取りに対してムニューシン財務長官とロス商務長官の影響力がより大きくなりました。ここでコーン米国家経済会議委員長が辞任したことを考えると、「トランプ大統領は、本気で鉄鋼とアルミに対する高率関税を課す可能性が高い」と考えるべきかもしれません。