3月7日

後場市況2

朝方は、コーン米国家経済会議委員長の突然の辞任を受けてリスクオフの流れが強まりましたが、時間経過と共にリスクオフの流れが少し沈静化し始めてきたように感じられます。上海総合株価指数は0.1%高、韓国総合株価指数は0.1%安で前場を終えました。米国の中国からの輸入国割合は、鉄鋼で2.2%、アルミで9.1%です。そして、韓国からの輸入国割合は、鉄鋼で9.8%です。それでも本日前場の上海総合株価指数と韓国総合株価指数がほとんど下落していないことは注目でしょう。

米国の2017年の輸入量は、鉄鋼で3461万トン、アルミで699万トンでした(米商務省発表値)。トランプ大統領は、鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を課す方針を示しましたが、それが実施されたところで、それほど深刻な貿易戦争にはならないとの見方もあります。モルガン・スタンレーの試算では、鉄鋼とアルミ、洗濯機、太陽電池モジュールの合計は米輸入額の4.1%にすぎず、世界貿易額においてはわずか0.6%に留まると指摘しております。家電などのほとんどに鉄やアルミが使用されているので、トランプ大統領の関税案があたかも世界経済に深刻な影響を与えるように感じられますが、それらが「世界貿易額においてはわずか0.6%」なのであれば、最近のアナリストコメントの多くが、過敏に反応し過ぎているだけかもしれません。