4月26日

原油市場パート2

 昨夜のEIAからの発表では、米原油在庫が200万バレル減予想に反して220万バレル増となりました。それでも下落しなかったNYダウの値動きからは、地合いの強さが感じられます。

 EIA週間石油在庫統計では、米原油在庫が今月になって3週間中2週間で増加しました。エネルギーの不需要期を脱出したはずなのですが、ここにきて米原油在庫が増加しております。この原因は、米製油所稼働率が低下していることのようです。

 米製油所稼働率は、3月2日時点で88%まで低下して年初来最低を記録しました。この時期がエネルギーの不需要期のピークとなります。その後は上昇を続け、4月6日時点で製油所稼働率が93.5%まで上昇しました。しかし、4月13日時点で92.4%、4月20日時点で90.8%まで低下しており、ドライブシーズンを前にして2週連続で低下しております。ここまで製油所稼働率が低下すれば、米原油在庫が増加しても仕方がありません、米国では、5月最終週の月曜日のメモリアルデーを過ぎるとドライブシーズンを迎えます。例年であれば、ドライブシーズン前に米製油所稼働率が上昇基調を強めるのですが、今年は例年と違うようです。

 ロシアのノバク・エネルギー相は20日、「原油相場が4月中に1バレル=80ドルに達する可能性がある。」と述べる一方で、「80ドルはファンダメンタルズの裏付けがない水準になるだろう。」と述べております。現在のブレント原油が74.5ドル付近で推移しているので、ブレント原油が80ドルの大台まであと2~3ドル程度にまで迫ると、原油市場への値ごろ売りも一考かもしれません。あと3ドルほど上昇すれば、ブレント原油で77.5ドル、NY原油で71.3ドルとなります。
米製油所稼働率と米原油在庫