5月14日

トウモロコシ市場

 シカゴ小麦は、今月3日に年初来高値を記録しましたが、その後は、6営業日中5営業日で下落しており、下落トレンドを鮮明としております。一方、シカゴ大豆は、3月5日に年初来高値を記録し、今月4日頃から下落トレンドを鮮明としており、先週末時点で、終り値ベースで3カ月ぶりの安値水準まで急落しております。そしてシカゴコーンは、今月4日に年初来高値を記録し、その後は、6営業日中5営業日で下落しております。

 年初からのシカゴ穀物市場は、南米の干ばつを背景にシカゴ大豆を中心に急伸を続けました。しかし、南米の天候回復や2018~2019年度の南米産大豆の生産が過去最大となる見通しに圧迫され、ここにきて下げ足を強めております。ブラジル植物油産業協会は今月11日、今年のブラジル産大豆生産が米国産を抜き、初めて世界最大の大豆生産国となる見通しを発表しました。

 米中貿易摩擦を背景に、中国が米国産大豆や米国産トウモロコシ製品に対して追加関税を課す可能性が高まっております。それを受けて輸入先を米国産から南米産に変更する中国の穀物商社が増えております。ちなみに、昨年の米国産大豆の生産量の「約3分の1」が中国に輸出されました。米中貿易摩擦の高まりを受けて今年の南米の大豆とトウモロコシの作付面積や生産高が過去最高に達するという予想が増えてきました。そして、ここにきてシカゴ大豆やシカゴ小麦の下げ足が強まってきただけに、シカゴコーンも年初からの上昇トレンドに対する反動安に注目する局面にきているのかもしれません。