5月15日

白金市場

 EU委員会関係者は14日、EU委員会はEU内で販売されるトラックの二酸化炭素(CO2)排出量について、2030年までに30%削減するとの目標を掲げる見通しであることを伝えております。EU委員会は、CO2排出量の削減目標の草案を今月17日に公表する見通しとなっております。

日本や米国、中国、カナダなどでは、トラックに対するCO2排出量の削減目標が定められておりますが、EUがトラックに対するCO2排出量削減に基準を設けるのは初めての事です。

トラックの多くはディーゼル車です。ディーゼル車は、ガソリン車よりCO2排出量が少ないというメリットがあります。EUがCO2排出量の削減目標を定めることになれば、ガソリン車よりCO2排出量の少ないディーゼル車への人気が再燃する可能性も高まります。そして、CO2排出量の削減目標が定められることになれば、EUで白金の触媒需要が増加することになりそうです。

ヨーロッパでは、以前はクリーンディーゼル車人気が高かったのですが、2015年にフォルクスワーゲンによるディーゼル車の排ガス不正が発覚し、それを受けてディーゼル車人気が低下しました。それにより、ディーゼル車の触媒に多く使用される白金需要が低下し、白金価格が大きく下落し、東京白金が東京金を下回ることになりました。しかし、ここでEUがトラックに対するCO2排出量削減目標を掲げることになれば、白金価格が上昇することも考えられます。それだけに、EU委員会から17日に公表される「CO2排出量の削減目標の草案」を前にして、東京白金に対する強気な見方も一考かもしれません。