5月23日

原油市場パート3

 ブレント原油が17日に80.50ドルまで上昇し、22日にも80.49ドルまで上昇しましたが、本日14時時点で79.0ドルまで下落しております。これによりブレント原油が17日と22日の高値でダブルトップを形成する可能性が出てきました。しかも、今週25日には、イランと英国、ドイツ、フランス、中国、ロシアが合同委員会を開催し、イラン核合意について協議する予定となっております。現時点では、英国、ドイツ、フランス、ロシア、イランが核合意に賛同の姿勢を示しております。しかも、ドイツのメルケル首相は22日、24~25日の訪中でイラン核合意の維持に向けて習近平国家主席らに協力を求めることを明らかとしました。25日の合同委員会で中国がイラン核合意に動けば、EU、中国、ロシア、イランによる新たな核合意が決定し、米国が更に孤立する可能性もあります。

米国務長官が21日イランに対して、12か条の要求をし、イランがこれらの要求に応じなければ、「イランに対して前例のない経済的圧力をかける」と警告しました。12ヵ条の主な内容は、下記の通りです。

・IAEA国際原子力機関に対して、すべての核開発情報を開示する。

・IAEAに、すべての核施設への立ち入りを認め、重水炉を閉鎖する。

・核弾頭搭載可能のミサイルの開発中止。

・イランに拘留されている、すべての米国人及びその同盟国の者の釈放。

・ヒズボラーやハマスやイスラムジハード等のテロ組織への支援中止。

・シリアの全ての地域からのイラン兵の撤収。

・タリバンの支援中止、アルカイダ幹部へ隠れ家提供中止。

・イスラエル、サウディ、UAE等の米国の同盟国に対する脅迫の中止。

・全ての中東諸国からのイラン兵の撤収と、フーシグループに対する支援中止。

・イラン外におけるコドス部隊の活動中止。

 上記の内容は、核開発と関係ない項目も多く、イランとしては、受け入れがたい内容と思われます。上記の12か条の内容を見る限りでは、米国はイランへの経済制裁解除の延長は全く考えていないように感じられます。しかし、今週25日には、イランと英国、ドイツ、フランス、中国、ロシアが合同委員会を開催し、イラン核合意について協議する予定となっております。米国抜きとなるこの合同委員会で新たなイラン核合意が決定することになれば、米国の孤立が浮き彫りとなり、米国単独でのイランへの経済制裁の効果が半減することになりそうです。しかも、米国務長官がイランに対して要求した12か条の内容に賛同する国は、25日の共同委員会では見つかりそうもありません。そして、6月22日のOPEC総会では、「経済制裁再開によるイラン産原油輸出が減少した時の対応」について協議される見通しとなってきました。こうしたことを背景として、ファンダメンタルズ的にもテクニカル的にも原油価格が上限に達したように感じられます。