6月14日

トウモロコシ市場

 米農務省から12日に発表された需給報告では、市場予想に反して今年の米国産トウモロコシの生産高予想が据え置かれました。現在の米国産トウモロコシの作柄が大豊作となった昨年を大きく上回っているものの、まだ育成初期なだけに、今年の生産高見通しには反映させなかったようです。一方、インフォ―マ・エコノミクスが昨夜発表しました今年の米国産トウモロコシの単収予想は、1エーカーあたり174.5ブッシェルとなり、昨年を11ブッシェルほど上回りました。昨年のシカゴコーンは、天候相場前半で「青田ホメ」による豊作観測が高まり、6月下旬に356セントまで下落しました。今年も昨年6月の安値付近までの下落は考える必要があるのかもしれません。

 1カ月前の米農務省による米国産トウモロコシの週間作柄・育成進展状況では、作付け率が過去5年平均を1%下回り、発芽率が過去5年平均を1%上回る内容となり、時期的にも「優と良の占める割合」などの作柄に関する発表は行われませんでした。しかし、今週の発表では、優と良の占める割合が大豊作となった前年を10%も大幅に上回りました。しかも、月末にかけての天候は、育成に適した天候が続きそうです。

 ウエザーサービスによるシカゴの降水確率予報では、この先14日中で40%が4日、30%が1日、20%が7日、10%が1日、0%が1日となっており、晴れがちな天候が続く見通しです。現在の米穀倉地帯の土壌水分が十分にあることから、「十分な土壌水分と十分な日照時間」により、米国産トウモロコシと米国産大豆に対する豊作観測が月末にかけて更に高まることも予想されます。米国産トウモロコシにとって、これからが「天候相場本番」となるだけに、天候を主眼に置いて考えるべきかもしれません。