7月11日

原油市場パート2

ブレント原油は、14時ごろからの1時間で1ドルほど下落し、今朝の安値を50セントほど割り込みました。それを受けて東京原油も17:20時点で450円安付近まで下落しております。

NYダウ先物が250ドル安(1%安)付近まで下落しており、ユーロ圏株価指数(ユーロストック50)も1.2%安付近まで下落しております。今朝6時頃に突然、「米国が新たに2000ドル相当の対中追加関税を適応する」とのニュースが伝わり、この弱気材料をマーケットが織り込むのにしばらく時間が必要かもしれません。しかも、それに対して中国政府が再び対米報復措置を講じる姿勢を示してきただけに、本格的なリスクオフの流れに発展する可能性もあります。

WTI原油とブレント原油の価格差は、少し前まで10ドルほどにまで拡大しておりました。それを受けて米国の原油輸出が2か月半ほど過去最高水準を続けました。6月22日終了週の原油輸出が日量300万バレルとなって過去最高を記録し、6月29日終了週でも日量233万バレルと高水準でした。WTI原油とブレント原油の価格差が10ドル付近まで拡大すると、大幅割安となるWTI原油を輸出すれば大きな利さやが生じます。そして、米国の原油輸出が過去最高にまで増加したことにより、米原油在庫が大幅に減少することにもなりました。しかし、現在のWTI原油とブレント原油との価格差が4ドル程度にまで縮小しているので、過去最高水準にまで膨らんだ米国の原油輸出がそろそろ大幅に減少する可能性もあります。米国の原油輸出が大幅に減少すると、米国の原油在庫が増加傾向に転じる可能性もあります。今夜のEIA週間石油在庫統計では、原油在庫が460万バレル増加する市場予想となっておりますが、意外にも米原油輸出が大幅に減少して、原油在庫が小幅増に留まる可能性もあります。