7月12日

原油市場

 昨夜のNY原油は、73.5ドル付近で横ばいを続けておりましたが、EIA週間石油在庫統計の発表直後から急落し、1日の下げ幅として今年最大を記録しました。また、昨夜のブレント原油も今年最大の下げ幅を記録しました。米原油輸入が大幅減少したことやリビア東部石油港からの原油輸出再開を受けて原油の下げ足が速まりました。

 昨夜発表されたEIA週間石油在庫統計では、原油1260万バレル減となり、近年最高の減少量を記録しましたが、その反面、米原油輸入が日量162万7000バレル減となりました。日量162万7000バレル減×7日間=1136万8000バレル減となり、米原油輸入の大幅減がそのまま米原油在庫の大幅減の原因となりました。エネルギー需要が最も高まるこの時期に米国が原油輸入を大幅に減少させたことは、昨夜の原油市場を圧迫しました。

 リビア西部の首都トリポリに拠点を置く国営石油会社(NOC)は11日、4カ所の主要石油ターミナルを再開することを発表しまいた。同国東部を支配するハフタル将軍が率いるリビア国民軍(LNA)がこれらターミナルの市支配権を引き渡したことにより、同国東部石油港からの原油輸出が再開することになりました。国営石油会社(NOC)は声明で、「数時間以内に生産・輸出を再開する。」と説明しております。これまでリビア東部石油港から日量75万バレルもの石油輸出が停止していただけに、昨夜の原油市場に与えるインパクトは大きかったようです。