8月8日

金市場(S&P500種株価指数のダブルトップに警戒)

昨夜のS&P500種株価指数は、4日続伸となり、2863ポイントにまで上昇しました。それにより1月16日に記録した最高値(2872ポイン)まであと9ポイントに迫りました。それにより1月下旬に発生した株価急落がフラッシュバックする可能性もあります。それと共に「リスクヘッジの金相違場」が再び意識され、金相場の1月頃の高値水準も再び意識される展開となる可能性もあります。

S&P500種株価指数は、1月16日に2872ポイントまで上昇して最高値を記録しましたが、その後の10営業日で一時2532ポイントまで下落し、「10日間で約12%の急落」となった事は、記憶に新しいことではないでしょうか。トランプ政権が1月22日に家庭用洗濯機と太陽光パネルに対する緊急輸入制限(セーフガード)を発動させたことにより、貿易摩擦が高まり、米国株が急落しました。当時よりも米中貿易摩擦がはるかに高まっているだけに、そろそろ米国株に対する高値警戒が必要となりそうです。

 ロイトホルト・グループが集計したデータによると、S&P500種株価指数構成銘柄の株価売上高倍率(PSR)の中央値が2.63倍となりました。それに対してロイトホルト・グループは、「この指標は指数の中心に焦点を絞るため、アップルやエクソンモービルなど巨大企業の影響が弱まる。従って、企業の時価総額によってゆがめられた指標よりも、もっと危険なバリュエーションの構図をあらわにする。ゆがみを抑えないままの指標では、S&P500種は売上高の2.2倍相当で推移しており、これは18年前に見られたピーク水準と一致する。」と指摘しております。更に、ロイトホルト・グループのラムゼーCIO(最高投資責任者)は、「現在と2000年のITバブル期には大きな違いがある。当時は過大評価された銘柄がテクノロジー大手にかなり集中していたが、現在は全てが割高な状態だ。2000年のITバブル期水準に戻ったS&P500種株価指数のPSRを、われわれのデータベースの中で最も恐ろしいチャートに分類した。」と述べております。

 現在のNYダウは、1月に記録した最高値(2万6616ドル)まであと1000ドルほどあります。しかし、昨夜のS&P500種株価指数が1月に記録した最高値まであと9ポイントに迫っただけに、今晩の取引で最高値を更新する可能性もあります。それにより、S&P500種株価指数が1月の最高値とダブルトップを形成する可能性もあります。このような状態で米中貿易摩擦が更に高まるようなことになれば、米国株へのテクニカル的な売りが加速する可能性もあります。ここは、S&P500種株価指数のダブルトップを警戒して、「リスクヘッジの金投資」に注目し、株価急落に備えるリスクヘッジとして東京金の強気な見方に注目ではないでしょうか。

 

 

米S&P500種株価指数の日足

 

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