8月9日
原油市場
昨夜の原油市場は、米中貿易摩擦の高まりなど複数の弱材料により大幅下落となりました。昨夜のNY原油は、寄付きから下げ続け、一時66.3ドルまで下落し、66.9ドルで取引を終えました。昨夜のブレント原油も一時71.6ドルまで下落し、現在は72.3ドル付近で推移しております。それによりNY原油とブレント原油は、昨年8月頃から続く右肩上がりの下値抵抗線を少し割り込むところまで下落しました。これにより両原油市場のトレンドが転換する可能性も高まってきました。
米通商代表部は8日、160億ドル相当の米国品に対して23日より25%の関税を課すことを発表しました。それを受けて中国政府も8日、160億ドル相当の米国品に対して23日より25%の関税を課すことを発表しました。米国の制裁関税の発表に対して中国は、即座に米国と同等の内容の報復関税を発表し、米中貿易摩擦が高まりました。
昨夜発表されたEIA週間石油在庫統計は、原油140万バレル減、ガソリン290万バレル増、ディスティレート120万バレル増となり、米原油生産が前週比10万バレル減の日量1080慢バレルとなりました。クッシング原油在庫は、2014年10月以来の低水準となりました。製油所稼働率は、前週比0.5%上昇の96.6%となりました。米原油生産が前週より日量10万バレルも減少し、クッシング原油在庫が4年ぶりの低水準となりましたが、それでも昨夜のNY原油が大幅下落となった事は注目でしょう。
米大手シェールオイル開発企業のコンチネンタル・リソーシズは昨夜、来年の生産量を15~20%増加させ、設備投資に4億ドル投資する方針を表明しました。そして設備投資の90~95%を天然ガスではなく原油に向けることも表明しました。原油価格の高騰とシェールオイル生産コストの低下により、シェールオイル開発企業の多くが今回の4~6月期決算で過去最高に近い好決算を連発しているだけに、当然の流れというべきかもしれません。「値は荷を呼ぶ」という商品投資特有の相場格言もあり、そのような状態が米原油市場で起ころうとしているようです。
サウジアラビア財務省は昨夜、4~6月期の財政収支が73億6000万リヤル(約19億6000万ドル)の赤字となり、前期(1~3月期)より財政赤字が79%も削減したことを発表しました。そして4~6月期の石油収入は1942億リヤル、非石油収入は894億リヤルとなった事も発表しました。サウジアラビアの財政収入の約68%が石油収入となる計算です。
4~6月期のブレント原油が67~82ドルの範囲内で推移し、それによりサウジアラビアの財政赤字が大幅減少となり、黒字転換寸前となりました。サウジアラビアの原油1バレル当たりの生産コストは2016年時点で9.9ドルですが、サウジアラビアの財政均等価格は2016年時点で70ドルでした。ブレント原油が70ドルを超えると、。。。。。。。。。。。。。。この続きは、会員の皆様に限定してメールにてお送りしております。
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