下記のコメントは、先週20日にメール情報会員に配信しました過去記事です。参考にどうぞ。

9月20日

新興国市場

ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントがトルコとアルゼンチンの債券を購入していることが伝えられております。同社のアナリストは、「トルコ、アルゼンチンともに財政状況は強固であるにもかかわらず、これら債券は新興国市場の混乱から避難する投資家につぶされた。アルゼンチンやトルコで見られる機能不全の政治的事象が幾つかあり、それが新興国市場リスクを抱える一部投資家の売りを誘っている。政治が問題を抱えるトルコのような国でも、地方財政や地方政府のバランスシートは実際に強固であり、自ら資金調達し、利息を支払う余裕が間違いなくある。」と指摘しております。

一方、61億ドル規模のiシェアーズ・JPモルガン・現地通貨建てエマージング・マーケット債券ETFは、4月初旬から総資産のおよそ4分の1を失いましたが、9月18日の資金流入が1億6900万ドルを記録し、過去1年間で最大の資金流入となりました。そして、世界最大の投資運用会社であるブラックロックは今週、「ドルが一時的なピークを付け、特異的なリスクが後退したとの見方から、新興国債券は絶好の買い参入機会。」と指摘しております。

米国がロシアや中国、トルコ、イランなどに経済制裁を実施し、新興国リスクが急拡大しました。しかし、ここにきてブラックロックが新興国債権の買い推奨を開始し、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントがトルコとアルゼンチンの債券購入を開始するなど、新興国市場への見方が変わってきたのかもしれません。そして、今週になって現地通貨建て新興国債ETFへの資金流入が急増していることからも、「新興国リスクの拡大は一巡した」との見方が高まってきたようです。それにより、これからは、新興国の債券や通貨に対して強気な見方も一考かもしれません。