下記のコメントは、メール情報会員に昨日配信しました過去記事です。参考にどうぞ。


10月17日

原油市場

昨夜のNYダウが547ドル高となり、米国株高を中心としたリスクオンの流れが強まりました。NYダウは、10日からの2営業日で1500ドルほど下落し、12日から2営業連続で下げ止まりとなっていただけに、昨夜の大幅高となったようです。それでも昨夜の上げ幅は、10~11日の下げ幅(約1500ドル)に対する「3分の1戻し」程度の上げ幅ですから、ここで「自律反発終了」となる可能性もあります。ドル円は、昨日15:15比で25銭ほど円安に進みましたが、昨夜の米国株の大幅高の割に円安&ドル高があまり進まなかったように感じられます。

 ブレント原油は、3日の高値(86.74ドル)から12日の安値(79.23ドル)にかけて7.51ドル下落しましたが、12日の安値から2ドル程度しか上昇しておりません。しかも、昨夜のブレント原油は、前日の高値(81.92ドル)を上回ることが出来ませんでした。昨夜のNYダウが547ドルも上昇しましたが、その割にブレント原油の上げ幅が小さかったようにも感じられます。

トランプ大統領は15日、サウジアラビアのサルマン国王と電話会談を行い、「サルマン国王は、カショギ氏に何が起こったのか一切わからないと言った。ならず者の殺害者が関与している可能性もある。私は米国務長官が王と会えるよう即出発させる。」と述べました。そして、ポンペオ米国務長官は16日、「今日行われた会合では、サウジアラビア指導者はイスタンブールの総領事館内で何が起きたかについて知らないと強く主張している。」と訪問先のサウジアラビアで述べました。カショギ氏失踪事件に対してトランプ大統領とサウジアラビア国王は、「ならず者の殺害者の犯行」とすることで、両国の関係改善に努めるような流れとなっているように感じられます。それによりこの事件は、時間経過と共に沈静化に向かう可能性も高そうです。

 今朝発表されたAPI週間石油在庫統計は、原油が220万バレル増予想に対して210万バレル減、ガソリンが110万バレル減予想に対して340万バレル減、ディスティレートが130万バレル減予想に対して24万バレル減となり、クッシング原油が150万バレル増です。製油所稼働率は日量8000バレル増です。原油在庫が増加予想に反して減少したことを受けてNY原油の電子取引が今朝から40セントほど上昇しました。


10月17日

原油市場パート2

 リフィニティブ・アイコンによると、10月に入ってからの2週間で中国とインド、トルコ、中東向けの遺産産原油輸出が日量133万バレルとなり、全体で日量150万バレルとなったそうです。以前に欧米6カ国が対イラン経済制裁を実施した時は、イラン産原油輸出が日量100万バレルまで減少しました。しかし、今回は米国1国による対イラン経済制裁であり、欧州諸国やトルコ、中国はイラン核合意の継続を支持しているので、前回の欧米6カ国による対イラン経済制裁の時ほどはイラン産原油輸出が減少しないと見られております。それにより、イラン産原油輸出の減少基調はそろそろ止まりそうです。

 米上院外交委員会のコーカー委員長は1月20日、「トランプ大統領は、5月にもイランとの核合意を破棄する。」との見方を示しました。そしてトランプ大統領も1月20日、「欧州関係国がイラン核合意の欠陥修復に合意する必要があり、そうでなければ制裁を再開する。」と表明し、対イラン経済制裁を再発動出来るようにする法改正を迫りました。それにより「イラン産原油輸出が大幅減少して、世界の原油需給がひっ迫する」との観測が高まりました。その後、欧米6カ国とイランにより2015年に締結されたイランへの経済制裁解除という「イラン核合意」の期限である5月12日に米国がイラン核合意から脱退しました。トランプ大統領が1月にイラン核合意からの脱退を表明してからブレント原油とNY原油が共に20ドルほど上昇しました。しかし、米国によるイラン産原油輸出への制裁開始日が迫ると、「噂で買って、事実で売れ」という相場格言もあるように、買いポジションの利益確定を急ぐ投資家が増えそうです。あと3週間弱で米国によるイラン産原油輸出への制裁が開始されますので、そろそろ原油市場の急落に備える必要があるのかもしれません。