11月6日

金市場パート3

リーマンショック後から続く9年間にわたる米国経済成長がピークアウトとなる可能性も高まってきました。今年は、多くの新興国の通貨や株式が大幅下落となりました。上海総合株価指数は、今年の1月に2年ぶりの高値を記録しましたが、2月頃から下落基調に転じ、ここにきて4年ぶりの安値を記録しました。インドのセンセックス株価指数は、8月下旬に最高値を記録しましたが、9月から急落し、半年ぶりの安値を記録しました。多くの新興国の通貨と株式が急落したこと自体が、米国株が下落基調に転じる「前兆」だったのかもしれません。

米銀大手のウェルズ・ファーゴのアナリストは、「10月に株価が急落した理由として企業利益の持続可能性を巡る疑念や貿易摩擦、世界経済の減速を巡る不安を挙げた上で、景気サイクルが終盤を迎えるとともに心配はより大きくなるのが常だ。」と指摘しております。ゴールドマン・サックスのアナリストチームは、「今年の7~9期の成長率は3.5%という強い数字になったが、住宅や機械設備、商業ビルなどの投資が弱まったことで全般的に失望を招いた。このデータは米成長率が緩やかに減速するというゴールドマンの見通しと整合的だ。」と指摘しております。

現時点で89%の資産が米ドル建てで年初来より下落しております。ドイツ銀行が提供した数値によれば、89%の資産が米ドル建てで年初来より下落したことは、過去100年間で初めてのことだそうです。JPモルガン・チェースの10月26日付けのレポートでは、「今年これまでにプラスのリターンを残した資産クラスは全体の20%にすぎず、1970年代のスタグフレーションのエピソードと世界的な金融危機を別とすれば、その割合がこれほど低くなったことはない。」との分析結果を公表しております。こうしたマーケットの変動こそが、米国株が下落基調に転じる「前兆」だったのかもしれません。

リーマンショック後から9年間続いた米国株の強気相場も終焉を迎えつつあるように感じられます。特にこの2年間のトランプ相場で米国株の上昇ペースが急加速したことにより、バイイング・クライマックスを迎えることになったように感じられます。89%の資産が米ドル建てで年初来より下落したことは、過去100年間で初めてのことですから、リスクオフの流れが本格化する可能性に警戒が必要となりそうです。それによりしばらくは、リスクヘッジの金相場に注目かもしれません。