10月7日

天然ゴム市場

 本日の上海ゴムは、1.3%高で取引を終え、2日続伸となりました。本日の米中間選挙の下院選で共和党が過半数議席を失ったことは、天然ゴム市場にとっては強材料となる可能性があります。

 米国は、これまで対中制裁関税の第1弾と第2弾を発表し、それに対して中国も対米報復関税の第1弾と第2弾を発表することになり、米中貿易摩擦が高まりました。現時点では、米国は、中国製品の5割に対して報復関税を課しております。そして、今下旬のG20開催中に行われる米中首脳会談で通商交渉が決裂すれば、米国が2760億ドル規模(中国製品の5割)の中国製品に関税を課すことをトランプ大統領は公表しております。これまでのトランプ政権によるかなり強引な米中通商交渉により米中貿易摩擦がかなり高まりましたが、それが天然ゴム市場の圧迫材料となり続けてきました。中国の天然ゴム消費は、世界消費の34%を占めます。これまでは、「米中貿易摩擦の高まりで中国のタイヤ輸出が減少する」との観測に天然ゴム価格が圧迫され続けてきたことを考えると、今回の中間選挙の下院選で他党である民主党が過半数議席を獲得したことにより、トランプ大統領がこれから進める通商交渉に対して野党の民主党が「NO」といえることになります。それにより、米中貿易摩擦が沈静化に向かう可能性もあります。下院選での共和党の大敗を受けて、ここは、東京ゴムTSR20に対して強気な見方も一考かもしれません。