11月21日

白金市場パート2

世界最大の白金精製会社であるジョンソン・マッセイ社は、4~9月の業績を発表しました。それによると、ディーゼル車のクリーンエアー計画が進んだことにより、同社の売上高が10%増加し、営業利益も10%増加したそうです。同社は、「2桁の売上高と営業利益の伸びを達成し、良い6か月間だった。」と述べております。

 フォルクス・ワーゲンなどのディーゼル車の排ガス不正問題により、世界的にディーゼル車の販売台数が減少し、それが白金価格を大きく下落させました。しかし、最近では、ディーゼル車の排ガス規制が以前より厳しくなったことを受けて、ディーゼル車の触媒に使用される白金の量が以前より増加し、そうしたディーゼル車のクリーンエアー計画がジョンソン・マッセイ社の4~9月の売上高と営業利益を10%も引き上げました。それを証明するかのようにスイス税関は昨日、10月のプラチナ輸出が4年ぶりの高水準となった事を発表しております。

 パリでは、来年夏から旧ディーゼル車の乗り入れが禁止となります。ドイツなどでも旧ディーゼル車の乗り入れを禁止する都市が増えております。ドイツの大手自動車メーカーは11月9日、ディーゼル車の排ガスを削減する対策として、1台当たり最大3000ユーロ(約38万円)負担することに同意しました。ショイアー独運輸相と自動車各トップとの5時間に及ぶ協議の末に自動車各トップがようやく合意に動いたようです。それにより、古いディーゼル車を下取りにして新型車に買い替えれば、1台当たり最大で3000ユーロ(約38万円)の助成金を受けとることが出来ます。それによりユーロ圏で古いディーゼル車からの乗り換えが今後急増することが予想されます。そうなれば、ユーロ圏で白金需要が増加することも予想されます。これからは、白金市場に注目かもしれません。