12月11日

金市場パート2

 ゴールドマン・サックスのグローバル通貨・新興国市場戦略共同責任者は9日、「来年3月のFOMCで追加利上げがある確率は今や50%を下回った。連邦準備制度からの直近のニュースはわれわれの見通しの確信を強めるとともに、ドル安が以前われわれが想定していたよりも早まる可能性を示唆している。ドルが今、厄介な高値にある可能性があり、ドル相場動向のシグナルとして連邦準備制度当局者の発言や米中の貿易を巡る話し合い、ユーロ圏の見通しを注視している。」と述べ、来週のFOMC後にドル安が強まるとの見通しを示しました。来週のFOMC後にドル安の流れが強まることになれば、ドルの代替銘柄となる金相場が上昇に転じる可能性も高まります。

 投資家心理の変化を示すとされるシカゴVIX指数(恐怖指数)は、9月下旬頃までは10~16ポイント付近で推移しており、かなり低い水準をキープしておりました。しかし、10月上旬からは、16~28ポイント付近で推移しており、高い水準をキープしております。こうしたシカゴVIX指数の上昇からも、投資家の不安心理が高まってきた様子がよくわかります。

 英国のEU離脱問題やフランスのデモ長期化問題など、EU諸国の情勢も不透明が高まってきたように感じられます。そして、米中貿易摩擦の長期化懸念燻っており、米国の成長鈍化懸念も高まってきました。そして、今年は、米国の株式市場や債券市場、不動産市場でのリターンがほとんどないような状態でした。そして、11月上旬に3.25%付近まで上昇していた米10年債利回りが、今では2.85%付近まで大きく低下しており、「ドル安&NY金高」が更に進みそうな雰囲気となってきました。最近の経済ニュースを見ると、マーケット全体に対する弱気コメントがかなり増えてきたように感じられます。こうした時こそ「リスクヘッジの金投資」に注目するべきかもしれません。
VIX