12月14日

トウモロコシ市場

今回の米農務省の需給統計の発表では、米国産大豆と米国産トウモロコシの生産高予想が前月から据え置きとなり、作付面積予想まで先月発表値から据え置きとなりました。そうした米農務からのノーサプライズを受けて東京トウモロコシは方向性のない展開となっております。

今週になって中国向けに113万トンの米国産大豆を販売する民間取引が報告され、それにより中国が米国産大豆の買い付けを再開したことが確認されました。それに対してセンスキー米農務副長官は13日、「100万トン、150万トンの購入は素晴らしい、非常に大きな進展だ。ただ、通常の年は3000万~3500万トンを中国に販売していることを考えると、さらに増える必要がある。」と述べております。中国による米国産大豆の購入が再開されましたが、あまりにも少量であることから、シカゴ穀物市場への影響はほとんどないようです。

米国政府による2000億ドル規模の中国製品に対する関税を10%から25%に引き上げる計画は、開始時期が1月1日から3月1日に延長されました。それにより、2月になれば、米中貿易摩擦が高まることが予想されます。それにより、中国としても米国産大豆の購入をそれまでに大幅に拡大させる必要があります。それにより来年の1~2月に中国が米国産大豆の購入量を増やす可能性は高そうですが、その時期には、過去最高の豊作が予想されている南米産大豆が市場に出回り始めます。今年の米国産大豆と米国産トウモロコシが大豊作となり、米国の裏作となる南米産の大豆やトウモロコシまで大豊作が予想されているだけに、穀物市場に対する買い妙味は少なそうです。