1月11日

原油市場

ベネズエラのマドゥロ大統領の2期目の大統領就任式が昨日行われました。昨日の大統領就任式に参加した国は、南米では反米色の強いキューバとボリビアだけであり、南米以外でも反米色の強いロシアやイラン、トルコ、中国の閣僚らだけが参加しました。日本やEU,米国などは、参加を見送りました。

ベネズエラの民主化を迫る13カ国からなる「リマ・グループ」は1月4日、ペルーのリマで外相会合を開催し、「ベネズエラのマドゥロ大統領の2期目の大統領就任は正当性がない。」との声明を発表しました。更にその声明では、「昨年5月に実施されたベネズエラの大統領選では、すべての政治勢力に開かれたものではなく、独立した国際選挙監視団の立ち合いも許されなかったために正当性を欠く。」と指摘しております。そして、ペルー政府は昨日、マドゥロ政権幹部ら100人の入国禁止措置を発表しました。また、パラグアイ政府も昨日、ベネズエラとの国交断絶を発表しました。更に、ポンペオ米国務長官は昨日、「自由でも公平でもない選挙を経た権力簒奪だ。ベネズエラの民主主義を回復させるため、引き続き経済・外交両面で全力を挙げる。」と述べ、ベネズエラへの経済制裁を継続させることを公表しました。更に、「野党が多数を占める国会をベネズエラ国民から政党に選ばれた唯一の合法機関。」と述べ、マドゥロ大統領政権を認めないことを改めて表明しました。

南米ベネズエラの独裁的なマドゥロ大統領政権に対して、南米諸国の多くや米国、EU諸国などが反発しております。すでにベネズエラインフレ率が170万%まで上昇しており、IMFによる今年のベネズエラのインフレ率見通しが1000万%となっており、更なるベネズエラ経済の悪化を受けて、同国原油生産が更に減少する可能性も高まってきました。ベネズエラ周辺国の多くがマドゥロ大統領政権に対して否定的な姿勢を示しているだけに、ベネズエラを支援する国が少ないことも、ベネズエラ経済をより悪化させることになりそうです。ベネズエラは、世界最大の石油埋蔵量を誇る産油国ですので、原油市場に与える影響も大きなものがあります。

米国がベネズエラに対してテロ支援国家の認定を進めていることは、1カ月ほど前から伝わっております。一方、ロシアは先月上旬、核搭載可能なTU160超音速戦略爆撃機2機を合同演習の名目でベネズエラに派遣しました。先月12日のロシア紙では、「駐米での長期的な軍駐留に向けてロシアは準備を進めている。」や「ロシアの政権中枢がベネズエラ領域のオルチラ島にロシアの戦略爆撃機を配備する方針を決め、反米左派のマドゥロ大統領も反対していない。」と報じております。それを受けて米国は、中距離核戦略全廃条約を破棄する方針をロシアに伝え、全世界に大きなインパクトを与えました。そして、ポンペオ米国務長官は先月11日、自身のツイッターで、「ロシア政府は、地球を半周させてベネズエラに爆撃機を派遣した。腐敗した2つの政府は公金を無駄使いし、人々の権利と自由を抑え込んでいる。」と批判しております。しかも、ベネズエラのマドゥロ大統領の2期目の大統領就任式が昨日行われた直後ですから、ここで米国がベネズエラに対してテロ支援国家の認定を行う可能性もあります。米国がベネズエラに対してテロ支援国家の認定を行うことになれば、ベネズエラの原油輸出が大幅に減少して原油価格が上げ足を強める可能性も高まります。