1月18日

白金市場パート2

大手労働組合のAMCUは今週14日、ジバニエ・スティールウォーター社に対して同社の白金鉱山で1月22日から1万2500人(同社白金鉱山労働者の約7割)規模のストライキを開始することを表明しました。そして、NYパラジウムが1月16日から3営業日連続で大幅高となりました。白金鉱山でストライキの可能性が高まったことにパラジウムが反応したようです。

 世界のパラジウム生産の約43%がロシアであり、約30%が南アフリカです。2017年の世界の白金生産が約200トンですが、パラジウム生産量は210万トンです。そして、南アフリカの白金鉱山では、白金鉱石の採掘の際の副産物としてパラジウムが採掘されます。

白金生産世界4位のジバニエ・スティールウォーター社の白金鉱山がストライキによる操業停止となれば、それだけパラジウムの生産量が減少することになります。世界のパラジウム需給は、昨年が28万オンスの供給不足となり、今年と来年で72万オンスの供給不足となる見通しです。今でもパラジウムが需給ひっ迫しているのですから、これでジバニエ・スティールウォーター社の白金鉱山で大規模ストライキが開始されれば、パラジウムが更に深刻な供給不足となります。そうなれば、「自動車触媒用金属におけるパラジウムの代替銘柄としての白金」への注目が高まりそうです。