本日配信しました週間レポートの一部をご紹介します。参考にどうぞ。



白金市場

 NYパラジウムが4日連続で年初来高値を更新しており、再び上昇基調を強めております。それを受けて同じ白金族金属であるNY白金も上昇力を強めました。しかし、NY白金の3月21日の高値が876.7ドルとなり、2月28日の高値(879.7ドル)や昨年11月7日の高値(885.6ドル)に迫ったことを受けて、NY白金に対する高値警戒感も高まってきました。ここでNY白金が昨年秋から続く上値抵抗線を突破するには、サプライズが必要となりそうです。

ジバニエ・スティルウォーター社の金鉱山での4か月間に及ぶストライキは、和解仲裁委員会(CCMA)の和解案をAMCUが受け入れたことで、ようやく解決しました。それにより、AMCUによる2次的ストライキ(同情ストライキ)の可能性が無くなりました。

一方、南アフリカ政府が先月、国営電力会社であるエスコムの3分割の方針を表明したことを受けて、労働組合の反発が強まっております。労働組合のNUMは、「エスコムの3分割」に反対する為に、ヨハネスブルク向けて3月末にデモ行進をすることを表明しております。デモ行進によるストライキの規模が拡大することになれば、再び大停電が発生する可能性もあり、白金市場への強材料となりそうです。

アフリカのモザンビークのニュシ大統領は18日、サイクロン「イーデイ」による同国内の死者は1000人を超す恐れがあることを明らかとしました。大型サイクロンがモザンビークとジンバブエとマラウイを直撃しました。モザンビークでは、19日時点で202人が死亡し、約60万人が被災したことも伝えられております。また、ジンバブエで98人、マラウイで56人が死亡したことも伝えられております。

モザンビークは、南アフリカの北東に隣接します。ジンバブエは、南アフリカの北に隣接します。そして、ジンバブエの白金生産は、世界第3位です。南アフリカの白金鉱山の多くは、同国南部の鉱山で採掘されますので、ジンバブエやモザンビークからもそれほどはなれていません。それにより、南アフリカやジンバブエでの白金生産への影響も気になります。また、サイクロンにより南アフリカ国営電力会社であるエスコムへの石炭供給に影響がないかも気になるところです。ここで石炭供給が再び減少し、大規模停電の再来となる可能性もあるだけに、注意が必要です。それだけに、白金市場に対してしばらくは強気な見方も一考かもしれません。