3月25日

金市場パート2

米金融当局が今年の利上げ回数ゼロを想定したことで市場は早ければ12月の利下げを予想し始めたので、短期金利と長期金利が逆転したのかもしれません。短期金利が長期金利を上回ると、短期の借り入れコストが長期のそれよりも高くなります。そのような状況においては、企業は日々の運転資金の調達コストがより高くなり、経営者は投資を抑制する傾向を強めます。また、一般消費者の借り入れコストも上昇し、米経済の3分の2以上を占める個人消費も減速することになります。

逆イールドが起きても米国がリセッション入りしなかったのは、過去50年間で1度だけです。それ以外では、逆イールドになって1年以内に厳しい景気後退に陥りました。ここにきてイタリア経済が景気後退入りとなり、ドイツ経済が景気後退寸前となってきたので、欧州を中心とした景気後退観測も高まってきました。今回の逆イールドが「景気後退のシグナル」となのか、「例外的なシグナル」となるのかが気になるところです。それだけに、そのあたりの不安感が払しょくされるまでは、「リスクヘッジの金投資」に注目することも一考かもしれません。