3月26日

金市場

 昨夜のNYダウは、14ドル高となり、小動きでした。ドル円は、昨日15:15比で10銭の円安です。本日8:50時点で東京金が29円高、東京白金が48円高、東京原油が380円高となり、ドル建て銘柄が軒並み下落しました。短期金利が長期金利を上回る逆イールド状態が発生したことを受けた利下げ観測から、ドル建て銘柄が買われたようです。

 イエレン前FRB議長は昨夜、「国内の景気後退が起こる公算が特に大きいとは思わない。過去と比べて、利回り曲線が非常に平坦化する傾向が現在見られる。」と述べ、米国債のイールドカーブについて、景気後退でなく、ある時点で利下げを行う必要性を示している可能性を指摘しました。シカゴ連銀のエバンス総裁は昨夜、「2019年の経済見通しが失望すべきものである場合、金融当局は政策金利を据え置くか、金融緩和に踏み切る必要もあるだろう。」と述べました。そして、フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は昨夜、「米当局が今年利上げをするとしてもせいぜい1回のみだ。」と述べました。エコノミック・アウトルック・グループの首席グローバルエコノミストは昨夜、「景気後退が迫っていると直ちに結論付けようとは思わない。地平線上に本物の雲が発生しつつある。問題はこれらの雲がどの程度暗くなり、景気後退の嵐を引き起こすかどうかだ。」と述べております。

短期金利が長期金利を上回る逆イールド状態が発生したことを受けて、利下げ観測が広がり始めました。そして、逆イールド状態が景気後退のシグナルとされているだけに、景気後退への警戒も高まってきました。そうしたことを受けて「リスクヘッジの金投資」がより注目されるようになってきたようです。しばらくは金相場に注目することも一考かもしれません。