3月26日

白金市場

 白金生産世界3位のロンミン社は昨日「事業改善計画の一環としてこれまでに8,000人以上の人員を削減した。それでも当社は引き続き財政的に制約されており、将来当社の事業および関連する雇用を維持するために必要な多額の投資に資金を供給することができない。」と述べ、鉱山の閉鎖や失業を避けるために必要な新しいプロジェクトに資金を提供するのに十分な流動性がないことを明らかとしました。ジバニエ・スティルウォーター社によるロンミン社買収計画が大量のリストラを伴うとして頓挫しており、ロンミン社の経営がより悪化しております。このままではロンミン社の経営破たんも時間の問題のようですが、ジバニエ・スティルウォーター社によるロンミン社買収計画を実施すれば、1万2000人ほどの大量リストラ計画が実施されることになるだけに、かなり難しい問題を抱えております。

 ラマホサ大統領が先週、国家労働組合連合(NUM)の指導者たちに、「国営電力会社であるエスコムの経営状況がひどいため、来月末に給与を支払えない可能性がある。」と警告しました。そして、中国との二国間協議を経て、中国開発銀行と南アフリカ政府が支援するエスコムへの融資に調印しました。一方、NUMの昨日の報告では、「南アフリカ政府はすでエスコムに690億ラントの救済を与えたが、エスコムは総額4300億ラントの債務を返済するのに苦労している。エスコムの経営状況は非常に厳しいので、南アフリカ政府は中国政府からお金を借り入れて労働者の給料が支払われていることを確認する必要がある。」と述べました。

経営悪化と債務拡大がエスコムの設備の老朽化を招いており、それにより電力供給も不安定となっております。また、経営悪化により石炭などの燃料不足も深刻化しているようです。そこにサイクロン「イーデイ」によりモザンビークからの電力供給がストップし、深刻な電力供給遮断を起こしました。モザンビークからの2本の送電線の内の1本は先週末に回復しましたが、あと1本は復旧までしばらくかかるそうです。そうした不安定な電力供給により、電力を大量に必要とする白金鉱山が再び稼働停止に陥る可能背が付きまとっております。そうしたことも白金市場の支援材料となっているようです。