4月3日

天然ゴム市場

 昨日の夜間取引では、上海ゴムが0.8%高、上海螺子鋼(上海鉄筋)が1.2%高、大連鉄鉱石が2.8%高、上海熱延鋼板が1.2%高、上鉄線が1%高、上海パルプが1%高となりました。昨日の中国商品先物市場の資源銘柄は、日中取引で大幅高となる銘柄が続出し、その後の夜間取引でも大幅高となる銘柄が続出しました。上海総合株価指数が今週になって年初来高値を更新したことや、3月の中国製造業PMIが4カ月ぶりに景気分岐点とされる50ポイントを上回って大きく上昇したことを受けて、中国の資源銘柄の上げ足が強まってきたようです。それにより、この1カ月間で大きく下落した上海ゴムの上昇に注目することろかもしれません。

 天然ゴム生産国連合(ANRPC)が昨日発表した「天然ゴムの動向と統計」では、1月の世界の天然ゴム生産が1月に前年同月比10.1%減の108万トンとなりました。そして1月の世界の天然ゴム需要が前年同月比1.3%増の115万1000トンとなりました。ANRPCは、「年初に台風1号がタイを直撃した事で、天然ゴム生産が減少した。」と指摘しております。年初に発生した台風1号の影響でタイの南部、中部、東部で約21万世帯が被災しました。それにより、1月の天然ゴム需給は、「7万1000トンの供給不足」となりました。これに主生産国による24万トンの輸出削減策が加わると、供給不足がより深刻化することになりそうです。

 タイ水利局のトンプレウ局長は4月1日、「今年の暑季はエルニーニョのために気温上昇と乾燥が長引くとの予報が出ているが、灌漑システムの整備されたエリアで水不足が生ずることはまずない。5月には雨季入りし雨が降り出すが、それまで生活用水と農業用水が不足しないよう水利局は貯水施設に十分な水を確保すべく努力を続ける。しかし、水不足の恐れがまったくないわけではないため同局では、コメ農家にオフシーズンの米作を控え、一般市民に節水に努めるよう呼びかけている。」と述べました。タイの天然ゴム出荷量は、4月に最も減少し、次いで5月に減少します。今年は、エルニーニョ現象の影響で減産期中に干ばつが発生する可能性も高まっているだけに注意が必要です。