4月8日

原油市場パート2

 先週のNY原油は、米国株の上昇やリビアの内戦激化を好感して上昇しました。

 リビア東部を統治しているリビア国民軍のハフタル司令官は4月4日、リビア西部の首都トリポリへの進軍を舞台に指令し、首都トリポリ近郊の複数の町を占領しました。そして、翌5日には、首都トリポリ近郊の旧空港を制圧したとの情報も流れております。それに対してリビア西部を統治している暫定政府は6日、首都トリポ南郊のリビア国民軍の拠点を始めて空爆しました。そして、リビア暫定政府のシラージュ暫定首相は6日、テレビ演説で、「政治的解決を図る努力が裏切られた」とリビア国民軍を非難し、「侵略者を一掃する。」と表明しました。ここにきてリビアの内戦が激化してきたようです。

 カダフィー大佐政権の崩壊後のリビアでは、同国西部を暫定政府が統治し、同国東部をリビア国民軍が統治することになり、2つの政府が存在する状態が続いており、これまでも何度も両政府が衝突してきました。そして、同国最大のエルシャララ油田が3カ月ぶりに操業再開したことにより、リビアの3月の原油生産が日量20万バレルも増加しました。同国東部のエルシャララ油田の収益を同国西部の暫定政府が独り占めするので、同国東部のリビア国民軍が反発するのも仕方がないのかもしれません。また、リビア国家予算の大半が同国東部で使用されることも、同国東部のリビア国民軍の反発要因となっております。イタリアなどはリビア暫定政府を支持しておりますが、中東最大の軍事力を保有するエジプトとロシアがリビア国民軍を支援しております。4月5~6日に開催されたG7では、「リビアでの軍事行動の即時停止」を求めました。リビアの内戦激化により、同国石油生産が一時的に減少するとの見方が高まっており、それに原油価格が反応しているようです。