4月15日

原油市場パート2

 ロシアのシルアノフ財務相は4月13日、「米国が原油市場で優位になる中、シェアを失うべきか、それとも減産合意をやめるべきかというジレンマがある。減産をやめれば原油価格は下落し、新規投資が冷え込む。シェールオイルの生産コストは従来型油田より高いため、米国の生産は減少する。」と述べました。更に、「協調減産の合意について決定は下されていない。OPEC諸国がこのシナリオに満足するかはわからない。」と述べました。

 プーチン大統領は4月9日、「方針についてOPECと協議する用意がある。だが、減産するか、現在の生産水準に留まるか、まだ言える段階ではない。原油と天然ガス収入が高いロシアにとって、現在の原油相場は妥当な水準である。制御不能な相場上昇は支持しない。」とも述べております。一方、ロシアのノバク・エネルギー相は先月、「国内で減産中止の圧力が高まっているために、ロシアは6月の会合で延長に合意するが、期間は9月末までとなる可能性がある。」と述べていたそうです。

 OPEC加盟国とロシアなど非加盟国からなるOPECプラスによる協調減産は、2017年1月1日から続けられております。その間に「6カ月間の協調減産」が何度も延長されてきました。しかし、年初から実施されている現在の協調減産が6月末に期限切れとなりますが、ロシアが「協調減産の6カ月間の延長」に応じない可能性も高まってきました。