4月15日

白金市場パート2

フォルクスワーゲンによるディーゼル車の排ガス不正問題を受けて、欧州におけるディーゼル車離れがこの4年間で大きく進みました。それによりこの4年間で白金価格が大きく下落し、3年前からパラジウムが長期上昇トレンドを続けております。しかし、ドイツ自動車工業会が4月2日に発表した統計によると、ディーゼル車の自動車全体に占める割合が3月に33.1%まで上昇し、前年同月の32.3%を上回りました。また、ドイツ政府の要請でドイツの自動車製造大手が昨年秋、「古いディーゼル車からの買い替え支援金」を承諾したことを受けて、欧州のディーゼル車の割合が昨年秋ごろから増加傾向に転じました。それにより白金市場は、「排ガス不正問題に関する呪縛」から脱したと考えるべきかもしれません。

欧州議会は3月27日、自動車のCO2排出量目標の厳格化を決定しました。それによると、CO2排出量を2025年までに15%削減し、2030年までに37.5%削減するというものです。そして、それらのCO2排出量削減目標の最終承認は、4月15日の欧州議会で採決される予定となっております。欧州議会がCO2排出量目標の厳格化を3月27日に決定し、その翌日からNY白金が上昇基調に転じていることも注目でしょう。それだけに本日予定されている欧州議会で「CO2排出量削減目標の最終承認」が合意されることになれば、ガソリン車に比べてCO2排出量の少ないディーゼル車の割合が更に増加することも予想されます。それだけに、今夜の欧州議会を睨んで、白金市場に対する強気な見方も一考かもしれません。