4月16日

金市場

昨夜のNYダウは、米国金融株の決算発表を嫌気して小幅安(27ドル安)となりました。昨夜のS&P500種株価指数は、半年ぶりの高値から小幅安となりました。昨夜発表されたゴールドマン・サックスやシティー・グループの1~3月期決算は共に減収となり、両社の株価が下落しました。昨夜のゴールドマン・サックスの株価は前週末比で3.8%安となり、昨年12月以来の下げ幅を記録しました。ゴールドマン・サックスやシティー・グループの決算発表を受けて、週内に決算発表を控えるバンク・オブ・アメリカとモルガン・スタンレーの株価も下落しました。それでも昨夜のS&P500種株価指数は小幅安に留まり、昨年12月下旬から続く3か月半に及ぶ安定した上昇基調を反転させるには至りませんでした。米国企業の四半期決算では、序盤に金融株の決算発表が集中します。

NYダウは、2009年3月から9年間強も長期上昇を続け、昨年10月3日に史上最高値を記録しました。昨年までの米国企業の決算発表では、金融株の好決算が続くのが恒例でしたが、今回は少し違うようです。NYダウは、昨年12月上旬から下旬にかけて急落したものの、今年の1~3月期は緩やかな上昇を続けまたが、その間の上昇率が11%程度でしたので、金融業の多くでトレーディング収入が減少したようです。

米10年債利回りは、3月上旬の2.75%付近から3月下旬には2.35%付近まで低下しましたが、その後は上昇基調を続け、現在は2.55%付近で推移しております。今回の四半期決算全体が悪い内容になれば、債券価格が上昇すると共に債券利回りが下落することになります。そうなると、長期金利の低下を好感して「ドルの代替銘柄としての金相場」が上昇する可能性も高まります。また、米国株の下落を受けて、「リスクヘッジの金相場」も上昇する可能性が高まります。

今後のS&P500種採用企業の主なスケジュールは、下記の通りです。

4月12日:JPモルガン・チェース、ウエルズ・ファーゴなど3社。

16日:バンク・オブ・アメリカ、ジョンソン&ジョンソン、ブラックロック、ネットフェリックスなど11社。

17日:モルガン・スタンレー、ペプシコ、アルコアなど14社。

18日:キーコープ、アメリカン・エキスプレス、など17社。

22日:ハリバートンなど7社。

23日:コカ・コーラ、イーベイ、ノーザン・トラストなど26社、

24日:ボーイング、キャタピラー、マイクロソフトなど44社。

25日:スリーエム、スターバックス、アフラックなど53社。

プロプライエイター・リサーチは先週、S&P500種採用企業の1~3月期の企業利益が前年同期比で2.2%の減益となる見通しを発表しました。そして、「S&P500種採用企業の1~3月期の1株利益が悪化もしくは市場予想を下回ると予想している企業が85社、改善もしくは市場予想を上回ると予想した企業が31社」となったと指摘しております。昨夜のゴールドマン・サックスやシティー・グループの決算発表も芳しくなかっただけに、今後更に決算発表が進めば、リスクオフの流れがより強まることも考えられるだけに、金相場に注目することも一考かもしれません。

 

 

S&P500種株価指数の日足

 

 

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