4月17日

天然ゴム市場パート3

本日の上海総合株価指数は、一時0.5%高の3269ポイントまで上昇しましたが、前日比変わらずで前場を終えました。前場の上海総合株価指数が年初来高値(4月8日の3288ポイント)まであと19ポイント(0.6%)まで迫る場面もありましたが、4か月間で35%上昇したことや年初来高値付近まで上昇したことで高値警戒感も強まったようです。

中国国家統計局から本日発表された中国鉱工業生産(3月)が4年半ぶりの大きな伸びを記録し、中国不動産投資(1~3月)が2014年以来の大幅増加を示しました。中国鉱工業生産(3月)が前年同月比で5.9%増予想に対して8.5%増となり、過去3年間での最大値(7.6%増)を0.9%も上回る大幅上昇となりました。そして、中国不動産投資(1~3月期)は、前年同期比11.8%増となり、1~3月期として5年ぶりの大幅増加となりました。前日に発表された「中国主要70戸市の新築住宅価格(3月)」が5カ月ぶりの上昇となり、3月の人民元建て融資が前月比90%増の1兆6900億元となっただけに、本日発表された中国経済指標が市場予想を大幅に上回る良好な数値となったことも頷けます。

米中貿易摩擦の高まりを背景に昨年9月頃からの中国経済指標の多くが大幅に悪化しました。それを受けて天然ゴム価格も大きく下落しました。しかし、中国政府が2月1日から経済刺激策を投入し、その後も複数の経済刺激策を投入したことを受けて、鉱工業生産や不動産投資、主要70戸市の新築住宅価格、小売売上高、製造業PMI,サービス業PMIなど「中国の3月の経済指標」の多くがことごとく市場予想を大幅に上回る良好な内容となってきました。中国の天然ゴム消費量が世界全体の38%を占めるだけに、中国経済成長の加速を受けて上海ゴムなど「中国の工業用原料銘柄」の上昇に注目する局面にきているのかもしれません。